ケムシ類
ケムシ類
ケムシ類として、リンゴハマキクロバ、モンクロシャチホコ、オビカレハ、ヒメシロモンドクガ、マイマイガ、アメリカシロヒトリ、イラガなどがあげられます。一般に殺虫剤には弱く、発生時期を把握すれば防除は容易ですが、防除を怠ると、食害量が大きく新芽や葉を集中的に加害するので、被害が大きくなります。
リンゴハマキクロバ:ナシホシケムシ(苹果葉捲黒翅、梨星毛虫) Illibers pruni
成虫は12mmほどの黒色の静止時は三角形の蛾です。羽はやや透けて見えます。ナシ、リンゴなどに寄生します。老熟幼虫は20mmほどの短い棒状で、淡黄色の地で背中に各体節に一対の黒点が並んでいて、ナシホシケムシとも呼ばれます。樹皮の隙間に作った繭中の幼虫態で越冬し、萌芽期に新葉や花芽を食害します。葉が展開すると一枚の葉を葉表側に縦に二つ折りにして餃子のような袋状にし、その中に隠れて葉肉を齧ります。食害が進むと袋が網目状になり、中に虫糞が充満しています。6月に成虫が羽化し、葉裏に卵塊を産みます。孵化幼虫は葉の葉肉を齧って網目状の食痕を残します。秋になると樹皮の隙間に繭を作って越冬します。
モンクロシャチホコ:フナガタケムシ(紋黒鯱鉾、舟形毛虫) Phalera flavescens
成虫は25mmほどの白い地の翅の外側に黒の縁取りがある蛾です。静止時は中央が盛り上がった長方形をしています。リンゴ、ナシなどバラ科果樹の害虫として知られていますが、街路樹のサクラにも良く見られます。年一回発生します。老熟幼虫は50mmほどの大型で、紫褐色の地にまばらな白か黄色の毛のある棒状の毛虫で、頭部と尾部を持ち上げた特徴のある姿勢で休息するので、フナガタケムシとも呼ばれます。7月頃成虫が発生し、葉裏に卵塊を産みます。幼虫は集団で葉を齧り、周囲を食い尽くすとまた集団で新しい枝に移動します。摂食量が多いので木が端から丸坊主になってしまいます。
オビカレハ:ウメケムシ、テンマクケムシ(帯枯葉蛾、梅毛虫、天幕毛虫) Malacosoma neustria testacea
成虫は20mmほどの褐色で、翅中央に帯状の濃色の横縞がある、静止時は三角形の蛾です。
ウメ、リンゴ、ナシなどバラ科果樹の害虫として知られ、年一回発生します。老熟幼虫は50mmほどの大型で、頭部は灰青色の地に黒のハの字の斑紋があり、胴部は青地にくすんだ黄色と黒の縦縞のある棒状の毛虫です。細い枝に巻いた指貫状の卵塊で越冬し、春先に孵化すると枝の基部に糸でテント状の巣を作り、昼間はその中に隠れ、夜に集団で枝先に出て葉を摂食します。枝先の葉を食い尽くすと、他の枝に移動して巣をつくり、枝単位に食い尽くす食害を繰り返します。成長と供に大枝に移って大きな巣を作りますが、老熟幼虫は分散して食害します。摂食量が多いので、放置すると木全体が丸坊主になる場合があります。樹上あるいは周辺の建物などの上に繭を作って蛹化します。成虫は6月頃出現し、枝先に産卵します。卵はそのまま翌年春まで休眠します。
イラガ(棘蛾) Monema flavescens
成虫は15mmほどの黄緑色に茶色の斑紋がある、静止時は長方形の蛾です。ナシをはじめバラ科の果樹の他、カキ、クリなど各種の樹木に年1-2回発生します。老熟幼虫は20mほどで、緑色の前後が膨らんだ繭型、全体に角状の突起が並んでいて、その表面に刺毛が密生しています。イラガ類の幼虫はいずれも毒刺毛をもち、刺されると疼痛を感じるのでその名前があります。木の枝に固着する卵形の強固な繭を作り、蛹で越冬します。
ヒロヘリアオイラガ(広縁青棘蛾) Parasa lepida
成虫は15mmほどの緑色に茶色の斑紋がある、静止時は長方形の蛾です。
ナシをはじめバラ科の果樹の他、カキ、カエデなど各種の樹木に年1-2回発生します。老熟幼虫は20mmほどで、黄緑色の長方形をしています。両側に突起が並んでいて、その表面に刺毛が密生しています。孵化幼虫は葉裏に密集して集中的に加害しますが、老熟すると分散して葉を摂食します。